みなさんこんにちは!
なごみにゅーす管理人のなごみです。
最近皆さんが興味・関心をお持ちな動物と言えば、”クマ”ではないでしょうか?
もはや熊による人身被害は他人ごととは言えず、日本に住むほとんどの人が意識しなくてはならない1つの共通課題になっていると言えるでしょう。
私の住んでいる地域でも、熊の出没が絶えず住民の皆さんの心配事になっています。
こういった熊に関する諸問題が毎日のように報道される現状を目の当たりにして、当サイトで熊にまつわる様々な活動を行っている団体や個人の方を紹介し、少しでも皆さんのお役に立てる情報を発信したいなと思い立ちました。
本日から、まずは一般財団法人 日本熊森協会さんの活動を取り上げたいなと考えております!
何回かに分けて特集記事にしますのでどうぞよろしくお願いいたします。


・熊に関する諸問題を真剣に考えたい人
・動物愛護について考えたい人
・様々な動物の実態に興味がある人
はじめに
ここ最近、「クマが人里に出た」「クマによる被害発生」といったニュースを見ない日はないくらいですよね。そんな中で、実はときどき出てきている団体が 「一般財団法人 日本熊森協会(にほんくまもりきょうかい)」です。
「まあ、名前からしてクマを守る団体なんだろうな……」くらいのイメージはあっても、実際に何をしている団体なのか、どんな人たちが関わっているのかまでは、意外と知られていません。
この記事では、ミニ特集の第1弾として、
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日本熊森協会ってどんな団体?
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いつ、どんなきっかけで生まれたの?
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どんな活動をしているの?
を、あたかも雑誌を読むような感覚で読めるように、なるべく”やさしめ”に紹介していきます。
ちなみに第2弾以降では、「クマ出没問題」「奥山の危機」「賛否や論争について」にも踏み込んでいく予定ですので、楽しみにして欲しいです!
一般財団法人 日本熊森協会ってどんな団体なの?
日本熊森協会は、一言でいうと、
クマをシンボルに、奥山(おくやま)の水源の森と野生動物を守るために活動している全国規模の自然保護団体です。
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形式:一般財団法人
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本部所在地:兵庫県西宮市分銅町1-4
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団体の特色:
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奥山水源の森の保全・再生に取り組む
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クマなど大型野生動物の保護を実施
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環境教育・政策提言
などを「現場主義」で行う、実践型の自然保護団体と周知されています。
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公式サイトのトップには、
「なぜクマは人里に現れるのか?原因は、私たち人間にあります」
というメッセージが掲げられていて、
クマだけでなく、クマが暮らす森ごと守りながら、私たちに動物との共生を考えさせるというスタンスが強く表れています。

誕生のきっかけは「中学生のクマ保護運動」
日本熊森協会のルーツは、意外にも “中学生たち” のクマ保護運動 にあります。
1992年に
「ツキノワグマ環境破壊に悲鳴」という新聞記事が授業に持ち込まれたことをきっかけに、兵庫県の中学校で、理科の教員を務めていた森山まり子さん(初代会長)と生徒たちが「クマを守ろう」という運動を始めます。
※棲む場所を失って痩せ細ったクマが射殺された写真を見た中学生たちは大きな衝撃を受けたそうです。
その流れが大きく広がり、生徒たちは署名を集め、県知事への直訴や天皇陛下への手紙を書くなど、熱心に活動を展開しました。
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1997年:市民の力を集めた 実践自然保護団体として「日本熊森協会」が設立。
※この時点では任意団体。発端となった中学生は大学生になっていました。 -
その後、活動を続けながら、
2010年に 一般財団法人 日本熊森協会 として法人化されます。
「研究者が上から『守るべきだ』」と言うのではなく、中高生と先生、地域の人たちが一緒に森へ入り、クマのことを自分の目で見て考える。
そんな実践的かつ草の根の運動から生まれた団体だ、という背景は、他のNGO・NPOなどと比べてもかなり特徴的なのではないでしょうか。
一般財団法人ってそもそもどんな団体なの?
数字で見る日本熊森協会
公式サイトでは、協会の活動の規模が数的に紹介されており、非常にイメージが掴みやすいです。
全国に広がるネットワーク
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全国の支部:31支部
北海道から九州まで、各地に支部があり、地域の自然や文化に合わせて活動。※ちなみに九州には野生のクマがいません。
会員数と活動の歴史
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会員:21,128人(最新の公式データ)
かなりの会員数ですね!
協会は、この会員基盤を力として、全国31支部で奥山の保全や野生動物との共存に向けた実践活動を継続しています。また、欧米の大規模な自然保護団体が数十万人規模であることを鑑み、日本熊森協会は10万人の会員を目指し、活動を広げていくことを目標としているそうです。
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活動の歴史:28年
中学生たちの運動からスタートし、約30年近く活動を続けてきたことになります。当時の中学生たちは、もう40代になろうかというところでしょうか。おそらく、様々な分野で皆さんご活躍なんでしょうね。
森を「買い取って守る」ナショナル・トラスト
…ナショナル・トラストってなに?
ナショナル・トラストは、一言でいうと
「市民がお金を出し合って森や海などの自然を買い取り、“未来の世代のためにそのまま残していこう”という動き」です。
森を守りたい人たちが募金や寄付を集めて、開発されそうな森の土地を買い取ったり、土地の持ち主から寄贈してもらったりして、「ここは壊さずに守り続けます」と約束することを前提に、みんなで管理していくんですね。
土地や森林の管理を国や自治体だけに任せるのではなく、市民自身が“オーナー”になって自然を守る仕組みなので、「森を買い取って守る運動」として、じつは日本各地の里山や海岸、湿地などでも広がっています。
この運動、地味にいまの日本社会に大切なものだとは思いませんか?
日本熊森協会が事務局を務める公益財団法人奥山保全トラストでは、全国22か所で合計約2,500haの森を買い取りや寄付で確保し、開発から守っています(2023年時点の情報です)
数字だけ見ても、もはや「小さな市民団体」から完全に脱皮して全国ネットワークを持つ、大規模自然保護団体に育っていることがわかります。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=nRMhG2ZTlzQ
チャンネル名:TeNY新潟一番ニュース 様
↑公益財団法人奥山保全トラストの活動が感じられる動画をご紹介します。
活動の柱 その1:奥山水源の森の保全・再生
日本熊森協会の理念や活動の核心にあるのが、奥山(おくやま)の再生です。
なぜ「奥山」にこだわるの?
協会が重視する「奥山」とは、人里から離れた、クマやシカなどの大型野生動物が本来の住処としてきた水源の森のこと。
しかし戦後の拡大造林政策によって奥山の原生林が伐採され、スギやヒノキの人工林に置き換えられた結果、
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生き物の餌となる実のなる木が減少
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人工林が放置され、荒廃
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保水力の低下や土砂災害リスクの増大
といった問題が起きている、と協会は指摘します。
実際に何をしているの?
奥山の再生では、市民や地元と一緒に、
・放置人工林の間伐・再生:
市民や地元と協力し、奥山の放置人工林を間伐や部分皆伐することで、太陽光を地表に届かせ、多様な植生(特に広葉樹)の成長を促します。
・実のなる広葉樹の植樹:
クマやその他の野生動物の餌となるドングリ類などの実がなる広葉樹の大苗を植樹しています。これは、動物たちが里に下りてこなくても山で十分な食料を得られる環境を作るためです。
などを行い、「大型動物たちが棲める森」へと少しずつ戻していく 取組みを続けています。
また、一部の地域では、ナショナル・トラストにてクマの生息地である人工林を協会が買い取って、長期的に天然林へ再生する活動もしています。

活動の柱 その2:クマをはじめとする大型野生動物の保護
名前の通り、日本熊森協会はクマの保護を大きなテーマに掲げています。
ただし、「どんなクマでもとにかく守れ!」という単純な話ではなく、
クマを守ることは、クマがつくる豊かな森を守ることにつながる
という考え方がベースにあります。
クマ生息地の現場での活動
協会や支部では、クマの生息地の地域で
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防除対策の支援
農地や集落周辺に電気柵を設置するなど、クマの侵入を防ぐための物理的な防除対策を地元と協力して行う。
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クマが隠れやすい「ひそみ場」となる草むらの草刈り
集落や民家の裏など、クマが潜みやすい見通しの悪い茂みや藪を刈り払い、隠れ場所をなくす。
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誘因物の除去(柿もぎ・果樹の剪定)
民家や集落の周辺にある、クマにとって格好の餌となる不要な柿の木やその他の果樹の実を、収穫期前にすべて回収(柿もぎ)するか、クマが登りにくいように剪定・伐採。
などを行い、「クマを里に寄せつけない工夫」 に取り組んでいます。
また、過去には破綻したクマ牧場から保護されたクマたちの終生飼育施設を支援し、保護クマの世話(獣舎の掃除やエサやりなど) を通して、本来のクマの姿に触れられる活動も行っています。

活動の柱 その3:環境教育と政策提言
子どもたちへの環境教育
日本熊森協会は、「次の世代に森と生き物の大切さを伝えること」もとても重視しています。
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学校や地域での講演会や出前授業:
学校や地域のイベントで、クマのぬいぐるみや剥製、実物大の足跡などを用いて、クマの暮らしや生態(何を食べるか、どこで冬眠するかなど)を分かりやすく解説。
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クマや森をテーマにしたシンポジウムやイベント:
クマの餌となるドングリなどの広葉樹の苗木を、子どもたちが実際に植える体験を行う。これにより、「自分の手でクマの森を再生している」という意識と、自然を大切にする心が育まれる。
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会報誌『くまと森と人』や書籍を通じた啓発:
クマの視点から森の現状を伝え、「なぜクマが里に降りてくるのか」という環境問題の背景を伝える。
などを通じて、子どもから大人まで「自然と共存するってどういうこと?」を一緒に考える場をつくっています。
法制度を変えるための政策提言
もうひとつの柱が政策提言です。
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保護管理計画の見直し:
クマの捕獲数を増やすだけでなく、奥山の再生を最優先事項とし、誘因物除去(柿もぎなど)や電気柵設置といった被害防止策に予算と人材を重点的に投入するよう提言しています。
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森林環境税の使途見直し:
2019年に導入された森林環境税が、林業振興だけでなく、放置人工林の天然林化や間伐作業にも積極的に使われるよう提言しています。
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猟友会への依存脱却:
狩猟や捕獲を主導する猟友会だけでなく、生態学や保護学の専門家、地域住民を含めた多様なメンバーでクマ対策会議を構成するよう提言しています。
などを、国や自治体に対して(環境省、農林水産省、各都道府県の自然環境・鳥獣担当部局などへ)継続的に行っています。
協会自身も、「欧米並みに会員数十万人を持つ自然保護団体を日本にもつくりたい」と語っていて、
市民の声で政策を動かすことを、大きな目標のひとつにしています。

どんな人たちが支えているの?
会員とボランティアの力で動く団体
日本熊森協会の活動は、非常に幅広い層のボランティア、専門家、そして一般の会員によって支えられています。また、参加者としては
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一般会員・賛助会員:
年会費や寄付を通じて、協会の運営資金や奥山保全トラスト(土地の買い取り)資金を提供しています。これが活動の安定した基盤となっています。
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現場ボランティア:
広葉樹の植樹会や人工林の間伐作業に実際に参加し、奥山の森を再生する肉体労働を担っています。人里での柿もぎ(誘因物除去)や、電気柵の設置など、棲み分けのための現場作業を手伝っています。
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支部・連絡所のスタッフ:
全国各地の支部で、勉強会やイベントの企画運営、行政への陳情書の作成など、地域に根ざした活動を支えています。
だいたい以上の3つに大別できると思っています。
また会費については、応援会員なら年1,000円から参加でき、会報誌や活動報告書、全国大会などの情報が届く仕組みです。
現在代表を務める室谷悠子さんは、「くまもりの活動は使命感は強いけれど、現場にはいつも笑顔と楽しい会話がある」という趣旨のことを語っていて、シリアスな問題に向き合いながらも、人と人とのつながりを大事にしている団体という印象です!
※私も微力ながら会員になって応援させていただくことにしました。年2回の会報誌は電子会報も選択できます。こちらから会員になれますので、ぜひチェックしてみてください!

↑一応証拠を載せておきます…笑
社会からの評価
こうした活動は、外部からも評価されています。
2024年には、公益財団法人社会貢献支援財団の「第61回 社会貢献者表彰」を受賞。
「クマをシンボルとして、奥山生態系保全と復元に取り組んでいる実践自然保護団体」として、約30年にわたる奥山水源の森の再生や、クマと人との共存に向けた地道な活動が評価され、社会的にも大きく認められた形になっています。
この記事はシリーズ第1弾。ここから「クマと森」の深い話へ
言ってみればここまでが、日本熊森協会の “名刺がわり” の紹介 です。
・中学生のクマ保護運動から生まれたこと
・クマをシンボルにしながら、動物だけではなく「森と水」「生態系全体」を守ろうとしていること
・奥山の再生、クマの保護、環境教育、政策提言を柱とする、現場主義の団体であること
ということが、はっきりとイメージできてきたのではないでしょうか?
日本熊森協会さんの活動に興味を持っていただけたのなら幸いです!
次回予告:クマ出没と「奥山の危機」を掘り下げる
第2弾となる次の記事では、
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なぜ近年、クマの出没や人身事故が増えているのか
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日本熊森協会が見ている「奥山の危機」とは何か
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「クマが増えたから」だけでは語れない背景
などをデータと現場の声を交えながら、更にもう一歩踏み込んで解説していきますので乞うご期待です!
気になった点、もっと知りたい点がありましたらコメントなどお待ちしておりますね!
よろしくお願いいたします。





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