皆さんこんにちは!
なごみにゅーす管理人のなごみです。
どんどん冬の足音が近づいてまいりましたが、寒さに負けじと頑張りましょう!
本日はそんな寒さを忘れるためにも?長崎の対馬に生息する「幻の猫」をご紹介します。
九州の最北端と、韓国の釜山の間に位置するのが長崎県・対馬島です。
釜山とは約50kmの距離であり、古くから貿易の重要拠点として独特の文化や歴史を持っている地域になります。
そんな対馬の森の中を静かに歩く、小さな野生のハンター。その名も「ツシマヤマネコ」。
長崎県・対馬にだけ生息する、幻のネコとも呼ばれる存在です。
この記事では、そんなツシマヤマネコの知られざる生態や性格に迫るとともに、なぜ絶滅危惧種になってしまったのか? どんな保護活動が行われているのか?
などなど、その魅力とツシマヤマネコを取り巻く課題をやさしく丁寧に紹介していきます。


・ツシマヤマネコが好きな人
・ツシマヤマネコについて知りたい、調べたい人
・動物愛護に興味がある人
・絶滅危惧種や絶滅の危機に瀕している動物に対して、何ができるか考えたい人
ツシマヤマネコとは?〜“天然記念物”にして“絶滅危惧種”〜
ツシマヤマネコは、長崎県・対馬(つしま)島にのみ生息する、非常に珍しい野生ネコです。
学名は Prionailurus bengalensis euptilurus。
実は「ベンガルヤマネコ」という種類の亜種であり、かつては中国東北部や朝鮮半島など広範囲に分布していた仲間の末裔なんです。
そのベンガルヤマネコが氷河期時代に大陸を渡って対馬に移ってきたわけですが、年月に伴い大陸が切れてしまいました。
そこで、日本で対馬だけに取り残された“生き残り”として生活をすることになってベンガルヤマネコたちが独自の進化を遂げてきた結果、今日のツシマヤマネコになったんですね。
ツシマヤマネコは1955年には国の天然記念物、1994年には国の「絶滅のおそれのある野生動物種」=絶滅危惧IA類に指定されています。
この絶滅危惧IA類というのは環境省のレッドリストでも最も深刻なカテゴリーに該当され、今後のさらなる活発な保護活動が望まれる状態になっています。
ツシマヤマネコの生息数推定は、環境省の第五次生息状況調査(2010年代後半までのデータ)で約90頭と報告され、その後も“おおむね100頭前後”という認識が行政の情報発信で踏襲されています。
100頭しかいないということで、残念ながら何か疫病や災害が起こったりするとあっさりと絶滅してしまうでしょう。
このような現状を抱える猫がいるって、皆さんはご存じだったでしょうか?

ツシマヤマネコの見た目の特徴は?
ツシマヤマネコの見た目は、パッと見はイエネコ(飼い猫)と大差ありません。ちょっとワイルドな見た目の飼い猫みたい…?
でも、よくよく観察してみると野生のDNAがしっかり感じられる、そんな身体的特徴を持っています。以下に表でまとめました。
| 部位 | 特徴 |
|---|---|
| 体の大きさ | 体長50〜60cm・体重3〜5kg(イエネコと同じくらい) |
| 体毛 | 茶褐色ベースに黒い縞模様。密な毛で雨にも強い |
| 顔 | 丸顔で鼻筋が太く、目がやや離れている |
| 耳 | 丸くて短く、裏に白い模様(“虎耳状斑”)がある。先はとがっていない。 |
| しっぽ | 太くて短め。先がまるく、黒い縞が数本入る |
ざっとこんな具合になります。
特に印象的・特徴的なのが、ふわふわで太いしっぽですね。
この尻尾は森林内で活動する際のバランスをとる役割もあり、また寒さから身を守る防寒具の役割も果たします。
まるでぬいぐるみのような見た目に、思わず抱きしめたくなってしまう可愛さを感じる方もいるかもしれませんね。
成獣の大きさは体長50–60cm ・ 体重3–5kgといったところで、イエネコと同程度。
体毛は茶褐色に黒い斑点や縞が入り、耳の裏に白斑(虎耳状斑)をもちます。

ツシマヤマネコの性格は?
野生動物であるツシマヤマネコの性格は、一言で言えば「孤高」。
ツシマヤマネコは基本的に一匹で生活します。オスとメスも繁殖期以外は別々に行動し、
縄張り意識が強いのが特徴です。縄張りが重ならないように行動範囲を分けています。
そのため、イエネコのように人に懐くことはありません。自分のテリトリーをマーキングして守るので、他のネコや人間と長時間一緒にいるのはストレスになるのです。
警戒心の強さ
森の中で暮らすツシマヤマネコは、外敵や人間から身を守るための用心深さが光ります。
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見知らぬ音や匂いをすぐに察知して隠れる
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カメラや人影を感知すると、静かに逃げる
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飼育下でも、人前に出るのを嫌がる個体が多い
このような行動・動物的特徴がみられます。
野生下では、人間の姿を見るとすぐに距離を取るため、研究者でさえ直接観察できることはほとんどありません。
気性が荒いというよりは、常に周囲に敏感。捕食者でもあり、同時に被食者でもあるため、一瞬の油断が命取りになる環境で生きています。(成獣はあまり被食の心配はありませんが、子猫は蛇やツシマテン、猛禽類に捕食されてしまうリスクがあります)
そのため、飼い猫のように「スリスリしたり」「じゃれつく」といった行動は見られません。
むしろ人が近づくと、威嚇したり逃げたりします。
ただし、子育て中の母ネコはとても愛情深いとされ、赤ちゃんネコ(子ネコ)に対しては献身的に接します。
巣穴でひっそりと子育てをし、外敵に見つからないよう細心の注意を払う姿は、まさに“対馬の森の母”と言えるかもしれませんね!
ツシマヤマネコの生態:森を歩く“静かなハンター”
ツシマヤマネコの主な生息地は、対馬の低山地や森林、川沿いの林・里山地帯です。
このような「森と農地が入り混じった環境」が最も豊かな餌場であり、ツシマヤマネコにとってはネズミやカエル・昆虫など多様な獲物を得ることができる環境なのです。(ツシマヤマネコはかなり柔軟な食性を見せます。)
意外なことに、集落のすぐそばに姿を現すこともあり、道路脇で目撃されるケースも増えてきています。
縄張りについては被ることが少なく、マーキングして境界を示します。
GPS首輪をつけた調査では、夜間に10km以上移動する個体も確認されており、驚くほど広い範囲を一匹で巡回して生活していることが分かりますね。
主な生態
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夜行性:ツシマヤマネコは夕方〜明け方に活動が活発になります。
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肉食性:ネズミ、鳥、昆虫、カエルなどを狩る。ネズミを一番捕食しているそうです。
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単独行動:基本は1頭で生活。
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繁殖期:2〜3月頃に繁殖期となり春に出産する。妊娠期間は60日と短め。
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寿命:野生下では約10年、飼育下では15年前後の記録あり。
木に登ったり、川を渡ったり、時には川辺で小魚を捕まえることも。とても運動神経がよく、狩りが上手なハンターと言えるでしょう。
また夜行性ですが月光の強い日は活動が鈍る傾向にあるようです。騒音・匂い・光に非常に敏感なので、月明かりにもストレスを感じるのかもしれませんね。
オスの行動圏は平均5.2km²(最大10.1km²)。メスは平均2.1km²ということでメスは狭めですね。育児も、出産したメスが単体で行います。
なお巣穴は木の根元、岩のすき間、倒木の下などに作ります。

ツシマヤマネコはなぜ絶滅危惧種に? その原因とは
ツシマヤマネコの頭数が減り、絶滅の危機に瀕していることは前述しましたが、それにはいくつかの明確な理由があります。
以下に説明していきますね。
① 森林伐採や道路開発による生息地の減少
かつての対馬は、山林が豊かでツシマヤマネコにとって理想の環境でした。
しかし近年では人間の生活圏の拡大により、森が分断され、ツシマヤマネコが住める場所が狭まっているのです。
道路網の拡充や土地利用の変化により、ツシマヤマネコにとって好適な生息地が分断。また森林の人工林化(スギ・ヒノキ)、里山・農地の手入れ減少などの理由もあって“森・田畑・川”のモザイク環境が切れ切れになりました。
これに伴って獲物(ネズミ・鳥・両生類など)も減り、暮らしにくくなっています。
また、イノシシやシカが増えたことによって里山が荒廃し、暮らしにくくなっているという状態も発生しています。
② 交通事故の増加
イリオモテヤマネコもそうですが、ツシマヤマネコも交通事故による個体数の減少(ロードキル)が問題視されています。
これは最も可視的な死亡要因の一つであり、車を運転する我々にとっては他人ごとではありません。
対馬野生生物保護センターの公式統計では、1992年以降159件の事故/146頭死亡(2025年度時点)。と発表されています。
2020年代に入っても、毎年数件の轢死事故が報告されており、夜間の道路を移動するツシマヤマネコが車にはねられてしまうという悲劇がいまだに続いていることが分かります。(九州地方環境事務所の公式記事でも「毎年4~5件の事故」が現況として示されています。)
③ 外来種との競合・感染症
イエネコ(ノネコ)との交雑や、病気の感染(猫白血病ウイルスなど)も脅威です。
特にノネコは繁殖力が高く、ツシマヤマネコの餌を奪うなど生態系への影響も深刻です。
行政の保全方針では、適正飼育・TNR・ワクチン等の対策を柱として対策を行っています。
④ 個体数の減少による遺伝的多様性の低下
全体の頭数が100頭弱と言うことで生息数が少ないわけですが、こうなると近親交配が起きやすくなり、健康な個体が育ちにくいという懸念もあります。
また餌資源の競合・交雑リスクに加え、FIV/FeLV等のウイルスを介した感染症は100頭弱の小集団にとっては深刻なリスクです。
頭数の増加は根本的な改善策ですが、同時並行でノネコ対策も行う必要があるということですね。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=4vNRuud3kfs
チャンネル名:生物ハンター加藤英明【公式】かとチャン 様
↑生のツシマヤマネコが動き回る姿を目にすることができる動画を見つけました。
現地の人以外めったに訪れることの出来ない対馬の様子も観れる素晴らしい動画ですね。
ツシマヤマネコを救うための保護活動
そんな絶滅の危機に瀕しているツシマヤマネコを救うため、現在さまざまな団体や行政が連携し、保護活動を展開しています。主要なものをピックアップして紹介します。
対馬野生生物保護センター(TWCC)
行政側のツシマヤマネコ保護活動の中核を担うのは「対馬野生生物保護センター」。1997年に開設され、環境省と長崎県が運営し、対馬市と連携しながら研究・普及活動を行う拠点となっています。
野生でケガや病気になったヤマネコの保護・治療・リハビリを行いながら、生息数や行動のモニタリング、交通事故防止対策、保全教育にも取り組んでいます。事故防止の標識設置や飼育下繁殖の支援もここから発信されています。
主な特徴
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保護されたヤマネコを展示個体として公開(静かな見学環境)
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展示室・映像・パネルなどで学べる「ヤマネコミニ博物館」あり
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観察デッキ・カフェ風スペースもあり、観光と学びが両立
📍長崎県対馬市上県町佐護西里302−1
見学は無料、誰でもふらっと立ち寄れる優しい施設です。

NPO法人ツシマヤマネコを守る会
地元住民がつくった、草の根の保護団体(2007年設立)です。対馬北部の佐護地区に拠点を置く民間団体で、地域に根ざした活動が特徴です。
「ヤマネコと人が共に暮らせる地域づくり」を目指し、住民・子どもたち・旅行者など、あらゆる人を巻き込む取り組みを続けています。(地元の子どもたちと一緒にスタンプラリーや学習イベントを開催し、未来の守り手を育てています。)
NPO法人ツシマヤマネコを守る会さんのHPはこちらです。
主な活動
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環境教育イベント(スタンプラリー・ワークショップなど)
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クラウドファンディングや寄付募集(グッズ販売も)
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地元住民と一緒に「ヤマネコのいる未来」を考える取り組み
「守る会」が発信するやさしいメッセージやグッズは、ネットでも人気。
寄付や応援購入も、誰でも気軽に参加できます。

九十九島動植物園 森きらら(長崎県佐世保市)
長崎県本土にある動植物園で、ツシマヤマネコの飼育下繁殖に成功している希少な施設です。
ヤマネコの展示・学習コーナーがあり、繁殖計画に基づいて国内外の動物園とも連携中。
森きららさんのHPはこちらです。
主な特徴や見どころ
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実際のツシマヤマネコが間近に見られる展示室
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子ども向けの解説パネルや動画が充実
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飼育下繁殖で生まれた個体の一部は、教育・研究目的で他園にも
飼育個体はとても繊細なため、静かな観察が推奨されています。
来園時は展示の有無を事前に確認すると安心です。

どうぶつたちの病院(対馬プロジェクト)
「どうぶつたちの病院」は、獣医師や研究者が中心となって運営するNPO法人で、
2004年から「対馬プロジェクト」としてツシマヤマネコの保護に本格参入しました。
まさに“ヤマネコのための臨床拠点”ですね。
活動の中心は、ツシマヤマネコを脅かす“人間由来のリスク”。
特にノネコ対策(捕獲・不妊・感染症対策)と調査研究。
行政が手の届きにくい医療や現場対応の“縁の下の力持ち”として活躍しています。
主な取り組み
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ノネコの捕獲・不妊手術(TNR活動)
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FIV/FeLVなど感染症の検査・治療
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ヤマネコの保護個体に対する医療ケア
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飼い猫の飼育実態調査・意識啓発
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対馬島内に獣医師が常駐している点も大きな特色です。
「ツシマヤマネコを救いたい」という熱い想いと専門知識で支える、
小さな命の“最後の砦”とも言える存在です。
ツシマヤマネコを守るために私たちにできること
ツシマヤマネコを守るために、特別な力は必要ありません。
私たち一般人にできることも、実はたくさんあるんです。
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対馬を訪れるときは運転に注意する=ロードキルをしないように注意
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野良猫への無責任な餌やりを控える
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保護活動団体への寄付・グッズ購入で応援する
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SNSなどで魅力や保護活動を広める
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動物園や保護施設に足を運び、学びを深める
このような小さなアクションでも、継続すれば大きな力になります。
また、ひとりひとりの力は小さくても、その力が合わさればきっと大きな力になります。
森の中に、ツシマヤマネコの足音がいつまでも響く未来を目指していきましょう。

まとめ
ツシマヤマネコは、日本に生きる”奇跡のネコ”と言っても過言ではないでしょう。
その姿には野生のたくましさと、どこか親しみのある可愛さが同居しています。
絶滅の危機に瀕している状態ですが、なんとしても未来にわたって生き続けてもらえるよう応援したいですね。
この記事を通して、皆さんが少しでもツシマヤマネコに興味を持っていただけたら嬉しいです。
そして、1人でも多くの人が動物たちの未来を考えるきっかけとなりますように。




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