みなさんこんにちは!
実家の猫に会いたい今日この頃を過ごす、なごみにゅーす管理人のなごみです。
先日から一般財団法人日本熊森協会の特集記事を書いてきましたが、特集記事は今回で最後となります。
第1弾では「日本熊森協会ってどんな団体?」、
第2弾では「クマ出没問題と奥山の危機」、
第3弾では「熊森協会をめぐる賛否」を整理してきました。
シリーズ第4弾の今回は、少し視点を変えて
「じゃあ実際に、どんな人たちが現場で動いているの?」
「自分にできる応援って、どんな形があるんだろう?」
というところを、やさしく紹介したいと思います。
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ボランティアとして関わる
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会員や寄付で支える
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それも難しければ、日常の中でできる小さな一歩を踏み出す
など、取ることのできる選択肢がいくつかある中で、最近の社会問題と化しているクマの出没問題に対する、“いろんな距離感の応援”を順番に見ていきたいと思います。


・熊に関する諸問題を真剣に考えたい人
・動物愛護について考えたい人
・様々な動物の実態に興味がある人
・自然環境について考えたい人
熊森協会の活動は、市民ボランティアの力で動いている
日本熊森協会の公式サイトには、「活動に参加する」というページが用意されてあります。
そこには、こんな説明があります。
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多くの会員がボランティアとして、水源となる豊かな森の再生活動や、勉強会・交流会に参加していること
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会員でなくても参加できる活動もあること
つまり熊森協会は、「専門家だけの団体」ではなくふつうの市民が関われる実践の場としても動いているんですね。
会長の室谷悠子さんは、同じページのメッセージで、
「重いテーマを扱う団体だけれど、現場には笑顔と楽しい会話があふれている」
と書いています。
深刻な問題に向き合いながらも、現場に集まるのは「やさしさ」と「使命感」を持った人たち。
そんな温かい雰囲気がメッセージからもじんわりと伝わってきます。
こういう活動に参加しようと思っても、なかなか勇気が出なかったり腰が重かったりしますよね。…けれど、1回勇気を振り絞って参加してみると、そこから人生すらも変わってしまう。そんなことも起こるかもしれないと、私は思っています。

ボランティアの現場では、どんなことをしているの?
熊森協会の「ボランティア」と聞くと、何をするの…?
もしかして、いきなり山奥でチェーンソーを担いで…?みたいなイメージを持つ人も中にはいるかもしれませんが…笑
実際には、いろいろなタイプの活動があります。
クマの生息地の地元で動くチーム
活動紹介には、クマ生息地の地元活動として、こんなことが挙げられています。
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クマと人の事故現場の調査
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クマを集落に寄せ付けないための草刈り
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放置された柿をクマのエサにしないための「柿もぎ」 など
これらは「出てきたクマをどうするか」だけでなく、そもそもクマが里に降りて来にくくなるように、人の側の生活環境を整えていく活動と言えます。
公式ブログ「くまもりNews」では、「くまもり柿もぎ隊」の取り組みとして、
「餌を求めて山から出てきた動物たちを殺すだけが能じゃない。
出てこないように、戦後私たちが壊した山中の餌場を復元してやりましょう。」
というメッセージも紹介されています。
一見地味な作業ですが、これらはクマとのトラブルを減らすうえで、とても大事な「地ならし」の一歩です。
奥山を歩き、森を調べる・育てる
活動ページには、奥山の調査や「実のなる広葉樹の植樹」といったメニューも列挙されています。
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専門家と一緒に奥山を歩き、森や動植物を調査する
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ブナやミズナラなど、動物のエサになる広葉樹を植えたり、育ちやすい環境を整える
こうした活動は、「クマが森で生きていけるようにする」ための、中長期の基盤づくりでもあります。
保護されたクマのお世話
熊森協会は、一部の保護グマの飼育支援も行っており、ボランティアが獣舎の掃除や餌やりを手伝うこともあります。
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クマの表情や仕草を間近に感じる
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「怖い動物」というイメージ先行ではなく、「その個体の生態」を間近で体験する
こういった貴重な経験が、クマや野生動物を見る目をそっと変えてくれるかもしれません。
私は猫を4匹飼育した経験があるのですが、本当に4匹ごとに性格が違くて大変に面白いものでした。個体差があるのは人と同じだな、と強く思います。
まだクマに触れた経験はないのですが、きっとクマにも個体ごとの性格の違いなどあるのだろうと思うと、不思議な気持ちになります。
事務局での“調査・研究補佐”ボランティアも
「運動不足だし、山歩きはハードル高いなぁ…」という方には、事務局を拠点にしたボランティアという選択肢もあります。
NPO求人サイト「activo」には、現在「クマを本気で守りたい方はぜひ!調査・研究の補佐ボランティア募集」という案内が出ており
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活動場所:兵庫県西宮市分銅町(本部事務所)
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活動内容:クマが現れた現場の調査補佐、クマ対策地域への視察補助、情報収集など
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Word・Excel・SNSが使える人歓迎
といった情報が掲載されています。
「クマを守る」といっても、実際にはデスクワークや情報整理も含めて、いろいろな役割があるんだなあ…
と気づかされる募集内容です。
なお、アルバイト・パートの求人情報が掲載されていたり、過去には職員の募集も行われていたようです。興味のある方は、是非定期的にチェックしてみてくださいね。

学び合う場としての「くまもり」
熊森協会の活動は、山だけで行われるわけではありません。
講演会やシンポジウムで「知る」
活動ページには、
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クマや森の現状に関する講演会
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自然破壊や野生動物の窮状をテーマにしたシンポジウム
などの開催も紹介されています。
最新のお知らせを見ると
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クマの専門家によるシンポジウム(神戸市開催)
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「森なくして人なし」をテーマにした講演会
など、タイムリーなテーマのイベントも開かれています。
また、風力発電やメガソーラーなど、再生可能エネルギーと自然保護の問題をテーマにしたオンライン学習会(Zoom)も開催されており、現地に行けない人も参加しやすくなっています。
会員同士の交流・全国大会
会員になると、
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年2回の会報誌と、年1回の活動報告書
- 「くまもり全国大会」など、会員向けイベントの案内
なども届きます。
現場の報告を聞いたり、地域ごとの工夫や悩みを共有したりする場があるというのは、「一人で悩まないための居場所」にもなっていそうです。
また真剣に野生動物や森の保全に取り組む人々にとって、精神的なサポートのみならず、知識のアップデートも得られる場となっているのは間違いありません。

「会員になる」という応援のしかた
「いきなり現場に出るのはハードルが高いな」という人にとって、もっともシンプルな応援が会員になることです。
日本熊森協会は、欧米の自然保護団体のようにたくさんの会員が支える市民団体を目指しており、
「10万人の会員」をひとつの目標に掲げています。
会員ページでは、
「会員になっていただくことが社会を動かす大きな力になります」
と書かれており、会費はそのまま活動の原資になります。
会員の種類(個人の場合の一例)
個人会員には、たとえばこんな区分があります。
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正会員:年会費 6,000円〜10万円未満
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応援会員:年会費 1,000円〜6,000円未満
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特別会員:年会費 10万円以上
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家族会員:同居家族は会費無料(1〜3の会員に準ずる)
「正会員じゃないとダメ」ということは全くなく、自分のペースに合った金額で参加できる“応援会員”も用意されています。
会費の使い道は、
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動物の棲める森の復元事業
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被害防除・共存対策
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講演・環境教育
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調査・研究、支部活動
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事務局の運営費
などに充てられています。
「直接現場に行くのは難しいけれど、森やクマを守る動きを後ろから支えたい」という人にとっては、とても大きな一歩になります。
実際、この記事を書いている私も応援会員になっています。

寄付やクラウドファンディングで、必要な時にギュッと支える
「毎年や毎月会費を払うのは大変だけど、気になったタイミングごとに、一度でしっかりと支えたい」
そんな人には、単発の寄付やクラウドファンディングに参加するという方法もあります。
2024年には、
「日本のクマ大量殺処分に歯止めを!
クマの命も人の安全も守る共存対策を広めたい!!」
という熊森協会によるクラウドファンディングが実施され、874人から約1,090万円の支援が集まりました。
プロジェクトページでは、
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2023年に捕殺されたクマが9,097頭にのぼること
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子グマも含め、人里に出たクマはほとんどが殺処分になってしまう現状
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スギ人工林や乱開発、温暖化など、生息地が大きく変わっていること
が説明され、
集まった支援は
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クマ被害防除対策(約500万円)
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共存のための現地調査・研究(約300万円)
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シンポジウムや学習会などの周知活動(約200万円)
といった用途に使われると示されています。
「今は余裕があるから、今年はちょっと多めに支えたいな」
そんな気持ちが湧いたときに、こういったプロジェクトを探し選んで応援する、というスタイルもありますね。
個人的には、今後こういう社会問題の解決につながるプロジェクトがどんどん増えていきそうな予感がします。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=6uEG-ki4Uvc
チャンネル名:富山県立山町公式チャンネル 様
↑富山県の立山町という自治体では、ふるさと納税型のクラウドファンディングを実施していたそうです。返礼品はありませんが、こういったプロジェクトに参加することは立派な社会貢献です。
クマとドングリにまつわる小話
調べてみると、一般社団法人日本ヴィーガン協会クマ部という団体も、クマと人間の共存を願ってクマ止めのドングリを集める活動などの資金源としてクラウドファンディングをやっていたことがわかりました。
クマといえば、はちみつやサケのイメージもありますが、日本のツキノワグマやヒグマにとって、秋の主食はなんといってもドングリです。
ブナ、ミズナラ、コナラやカシの実など、森に落ちる木の実を、クマたちは夢中になって食べ続けます。
冬眠前のクマは、短い期間に体重をドンと増やさないといけません。そのために、脂肪分の多いドングリは、まさに「冬を乗り切るための最重要食物」なんですね。
なんとびっくり、一日に何千個ものドングリを食べることもあると言われています。クマが黙々と地面を嗅ぎながら、落ち葉の中からドングリを拾い集めている姿を想像すると少し愛おしくなりませんか?
おもしろいのは、そのクマとドングリの関係が一方通行ではないところです。クマがドングリを食べるとき、全部をその場で消化できるわけではありません。
途中でこぼして落としたり、食べ残した実が別の場所で芽を出したりします。
するとクマが歩いたあとに、ブナやナラの子どもたちがポツポツと生えてくることもあるため、クマって森の木々にとって「タネを運んでくれる配達員」のような存在でもあるんです。
もちろん、ドングリが不作の年にはクマは十分に太れず、人里の柿や畑、ゴミなどに手を伸ばしてしまうリスクも高まります。
だからこそ、「クマが安心してドングリを拾える奥山の森」を守ることは、クマだけでなく私たちの暮らしの安全にもつながっていくのです。
秋の公園でドングリを見つけたとき、「これは山のクマたちにとっては冬のためのごちそうなんだよな」と、少しだけ奥山の光景を想像してみる。
そんな小さな想像も、クマと森とのつながりを感じ直すささやかな一歩かもしれません。

遠くからでもできる、「小さな一歩」の応援
ここまで読んで、
「興味はあるけれど…会員になるとか、ボランティアに行くかまでは、まだ迷うなぁ…」
という方も、きっといると思います。
安心してください。もっとと小さな「一歩目」からでも十分なんです。
まずは「知る」ことも立派な応援
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熊森協会のサイトや「くまもりNews」を読んでみる
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クマ問題を扱った記事や動画をいくつか見比べてみる
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賛成・反対、両方の立場の意見に目を通してみる
「知る」ことにはお金もかからないし、自分のペースでできます。
色々な情報が錯綜する現代にとって、自主的にものを調べようとするってことは大事な行動です。
最近だと生成AIがすごく発達しているので、友達に尋ねるような感覚で、AIに聞いてみてもいいかもしれませんね。
気になった情報を、やさしくシェアする
SNSや身近な人との会話の中で、
「こんな団体があるらしいよ」
「クマ問題、単純に“増えたから駆除”って話でもないみたい」
と、一方的に押し付けるような形を避けながら、さくっと紹介してみるのもひとつの応援です。
SNSのタイムラインにちょっとだけ違う視点の情報が流れるだけでも、世界に影響を与えることがあるように、少しの会話が誰かに予想もしなかった良い影響を与えるかもしれません。
自分の暮らしの中で「クマとつながる場所」を想像してみる
たとえば、クマが出没している地域に旅行や観光で行くとき。
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山に入るときのマナー
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ゴミを出さないこと
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地元の人の話を聞いてみること
そういう一つひとつも、クマ問題を「遠いニュース」から「自分ごと」へと近づけるきっかけになります。

それでも迷うときは、「いつか行けたらいいな」でOK
「会員になるか、寄付するか、ボランティアに行くか…」と考えると、少し肩に力が入ってしまうかもしれません。
でも、今すぐ決めなくても大丈夫です。
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今日は、記事を一つ読むだけ
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次は、イベント情報をチェックしてみるだけ
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その次は(いつか余裕ができたらで良いので)会員や寄付を考えてみる
そんなゆるやかな距離感で関わることも、立派な応援だと思います。
熊森協会のサイトの「あなたにできること」というページには、
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くまもり会員になる
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寄付で応援する
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活動に参加する
と、3つの入口が並んでいます。
どの入口を選んでもいいし、「今日はまだ、入口の前で立ち止まってみるだけ」でも、大丈夫なんです。
どんな行動だって、まずは思うところから始まりますから。
おわりと所感
4回にわたって、
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日本熊森協会という団体の「基本情報」
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クマ出没問題と「奥山の危機」
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熊森をめぐる「賛否と論点」
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そして今回、「人・ボランティア・応援のしかた」
という構成で、ゆっくりと見てきました。
執筆者である私自身、非常に勉強になるなあという思いを感じながらも、答えの無い問いを考え続け、それでも動いていかなければいけないという困難さに直面した気分でした。
クマと人との問題は、簡単な正解がないからこそ、いろんな立場の人の「悩み」や「願い」が重なっている深いテーマだと思っています。
その中で、日本熊森協会は
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奥山の森を再生したい人
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クマを守りたい人
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被害を減らしたい人
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子どもたちに豊かな自然を残したい人
そんな人たちが、それぞれの距離感で関われる“場”となろうとしているのかもしれません。
そして私は、この記事があなたにとっての
「クマと森のことを、これからも少し気にかけてみようかな」
という、やさしいきっかけになれば嬉しいなと思うばかりです。




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