みなさんこんにちは!
なごみにゅーす管理人のなごみです。
お盆になり、長期休暇を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?
まったりとお休みしながら、ぜひ当記事も楽しんでいただけると幸いです。
さて、本日ご紹介するのは海の生物で、まるで宇宙生物のような姿をした「タコ(蛸)」。
その独特な見た目もさることながら、知れば知るほど「えっ!?そんなことまでできるの?」と驚かされる生態の宝庫ともいえる動物です。
さらに、意外にも高い知能にも驚かされるばかりです。
今回は、そんな魅力的なタコにまつわる実際のエピソードや学術的な研究も交えながら、タコの驚異の知能と不思議な生活に迫ります。


・タコについて知りたい、調べたい人
・海の動物に興味がある人
タコ(蛸)の脳みそは9つもある!?
タコは「頭足類(Cephalopoda)」に属する軟体動物で、背骨がありません。もともと先祖はアワビのように岩に張り付いて過ごすような貝だったのですが、進化の過程でその貝殻を完全に失ってしまいました。
その種類は豊富で、世界には200種類ものタコがいると言われており、うち日本には60種類ほどのタコが生息しているようです。日本で良く食用に用いられるのは「マダコ」で、「ミズダコ」は3m・数十キロほどにもなる大型のタコです。「ヒョウモンダコ」には毒がある、と言った形で種類ごとに様々な特徴があります。
なのですが、実は貝類の仲間である…という事実がまず1つ目の驚きかもしれませんね。
そのタコの最大の特徴の一つが、「脳みそが9つある」という事実です。
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中央の脳 … 頭部にあるメインの脳(中枢神経系)
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8つの腕にある脳 … 各腕の付け根に配置された「神経節」
という形になるのですが、つまり、タコは「中央の司令塔」と「腕ごとのサブコンピューター」を持つ、分散処理型のスーパーコンピューターのような生き物なんです。
しかも、各腕の神経節は非常に自立性が高く、脳からの指令なしに独立して行動できます。
アメリカの神経科学者ハンフィリーズ博士らの研究によれば、タコの神経細胞の約3分の2は腕に集中しており、腕単体で「物を掴む」「獲物を探す」といった行動をこなせるのだとか。
※一般的にタコ足と言われる8本の足は、ものを捕まえたりするその機能性から「腕」と言います。
たとえば、エサの匂いに反応してある腕は“勝手に”伸びていく、ある腕は異物を避けるなど、各々の腕にあたかも意思が宿っているように動くんですね。中央の脳は最終判断と統合、腕の神経節は現場裁量で微妙な力加減や質感判定を担当する。といった感じでしょうか。
なお腕にはお馴染みの吸盤がありますが、吸盤は触れた対象の化学情報(匂い・味)まで拾うことが可能です。
また、吸盤は真空ポンプのように働くだけでなく、微細なテクスチャーに沿って面で密着しようとする性質があり、濡れたガラスにも張り付きます。
そんなタコの中央の脳の大きさは、すべての無脊椎動物(背骨の無い動物)の中で一番大きいのだそうで、約5億個のニューロン細胞が存在し、これは犬と同程度だそうです。

タコ(蛸)の知能は3歳児並み?
イギリス・ケンブリッジ大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)による研究では、タコは高度な学習能力を持ち、道具を使用する能力や記憶力に優れていることが報告されています。
たとえば、透明な瓶に入ったエサを与えると、タコはフタの回し方を学び、次回はより短時間で開けるようになります。これは、過去の経験を記憶し、それを応用できるという、非常に高い認知能力を示す行動です。
タコは特に観察学習・試行錯誤・空間記憶に優れ、課題のルールを学ぶことのできる動物です。先ほど例に挙げた瓶だけではなく、複数のレバーや引き戸がある迷路課題でも、解除順序を記憶して効率化します。
さらに、タコはコミュニケーション能力も高く、貝殻や泥の塊を仲間のタコに投げつけたり、飼育されているタコは飼い主とハイタッチすることもあるようです。言語は扱えませんが、体の色や形を自由に変えることで感情表現することもできます。
心理学的評価によれば、「タコは人間の3歳児と同程度の問題解決能力を持つ」ともされ、犬や猫と同等、あるいはそれ以上の知的能力を発揮する場合もあります。
なんだか、タコと接したくなってきませんか?

水族館職員を悩ませるタコたち
世界中の水族館では、タコの“脱走事件”が後を絶ちません。
ニュージーランドの「ナショナル水族館」では、インキー(Inky)と名付けられたマダコが水槽のフタを押し上げ、床を這って排水口まで移動し、海へと逃亡しました。
職員が翌朝出勤すると、インキーの姿はなく、水槽の外には吸盤の跡がポツポツと…。インキーは排水管を通って陸上移動し、海に出て見事に自由を手に入れたのだろう、と推測されました。
インキーは漁師によって捕獲され、水族館にやってきたタコでしたが、人懐っこく好奇心旺盛な性格だったようです。水槽の中にずっといる生活が耐えられなかったのかもしれません。
こういったケースは実は珍しいものではなく、日本でも山口県の水族館「海響館」で、展示中のミズダコがケースから抜け出し、どこにいるんだろうと捜索したら近くの別の水槽のカニを食べていた事例があります。
高い知能と軟体を併せ持つタコにとって、「檻」や「壁」は必ずしも障害にならないのです。
ちなみに、水族館では餌の時間を“当てる”タコもいるそうです。これは職員の足音やバケツの音、光の入り方などから時刻やイベントを推測しているのでは、と言われます。こうした“環境のパターン学習”は、タコの得意技のひとつですが、やはり見た目から想像できない高い知性を感じさせますね。

カモフラージュ(擬態)の天才
タコは体色と皮膚の質感を瞬時に変えられます。鍵は「クロマトフォア(色素胞)」と呼ばれる色の“ドット”と、光を反射する「虹色素胞」、さらに皮膚の“盛り上がり”を操作する乳頭状突起にあります。
タコの腕には、1本つきに約5000万もの神経細胞があると言われており、ありとあらゆる方向に筋肉を動かすことができるのですが、乳頭状突起を操作して質感を表現します。
また、色素細胞が筋肉の収縮や弛緩を受けることで、様々な体色や模様を表現することが可能になるのです。
タコのカモフラージュは岩の色、砂のパターン、海藻の揺らぎまで再現することができ、ハワイ大学の研究によると、0.2秒未満で色を変化させることが可能だとのこと。しかもざらざら、ぼこぼこといった質感も表現するのだからカモフラージュの天才と言って過言ではありません。
この変化は獲物を捕食したり外敵から身を守る際に行うだけでなく、その気分でも変わります。驚いたときは墨の噴射とともに一瞬で暗色化、獲物に忍び寄るときは砂色で“無地”に、求愛時は派手な模様でアピールします。
タコの多様なカモフラージュはコミュニケーションと感情のシグナルとしての側面も、見逃せません。
ただし、このカモフラージュは莫大なエネルギーを消費するようで、1時間当たりに自然に消費する酸素量と同じぐらいの酸素量を消費するとのこと。命がけですね。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=XJgX_RjTA4M
チャンネル名:三宅島SNAPPER 様
↑このような動画を観ると、タコが実際にカモフラージュする様子を観ることが出来て感動しますね。
道具を使うタコたち
タコは道具を使うことのできる、数少ない無脊椎動物でもあります。
インドネシアの海底では、ココナッツの殻を持ち運びシェルターとして利用するメジロダコが発見されました。
彼らは殻を二枚合わせて自分の身を守る“ポータブルハウス”として使い、危険が迫るとその中にすっぽり隠れます。
しかも、メジロダコはお気に入りの道具を運んだり、カモフラージュのためか二足歩行することもあるようです。人間に近いものを感じますね。
こうした行動は、「未来の状況を予測し、あらかじめ備える」という高度な計画性の証拠と考えられており、やはり高い知能を持ち合わせていることを強く感じさせます。

タコの驚異的な体と繊細な心
さらに凄いことに、タコは切れた腕を再生できます。再生中の腕は最初、細く短いものですが、やがて吸盤配列や神経配線に至るまで整っていくというから驚きです。その体は基本的に筋肉と結合組織の塊で骨がないため、瓶の口サイズにまで収縮することが可能。
血液はヘモシアニン由来で青い色をしています。低温・低酸素環境でも酸素運搬が比較的うまくいく反面、環境変化に弱い側面もあり、水質の急変が致命傷になり得ます。こうした“身体スペック”のユニークさが際立つ動物と言えるでしょう。
近年、タコにレム睡眠の状態がある可能性が報告され、睡眠中に体色が目まぐるしく変わる“夢見”のような行動が注目されています。カモフラージュのパターンを再生するかのように色が切り替わる様子を見せています。
また、好奇心を示す行動(新奇物に接近・操作)、嫌悪を示す回避(苦味への強い反応)、フラストレーションらしき反応(取りにくいエサに対するしつこい試行と突然の放棄)など、情動を想起させる挙動も見せます。嫌いな人に墨をかけることもあるそう。
情動がどのようなものなのか、脳内でどう処理しているのかなど、研究はまだ道半ばですが、タコの“らしさ”を語る上で重要なテーマになっています。

タコは短命な天才
タコの寿命は意外にも短く、一般的なマダコは1〜2年、最大のミズダコでも3〜5年ほどしか生きません。
この短い人生の中で、驚異的な学習能力を身につけ、環境に適応していきます。
研究者の中には、「タコは短命だからこそ、成長のスピードと適応力が高い」と考える人もいます。
短い一生の中で、タコは驚異的なスピードで学習し、環境に適応していきます。繁殖期になるとメスは産卵し、卵を守りながらほとんど食べずに世話に専念。
そしてハッチアウト(ふ化)後に寿命を終えてしまうのですが、このような生物として切ない一面を併せ持つのがタコです。
この“短命+高可塑性”は、認知・神経の研究者にとっては宝の山と言えるでしょう。学習の速さや神経回路の柔軟性、腕の分散制御など、生物由来のロボット設計(ソフトロボティクス)への応用も期待されています。
人類が仮に滅亡した場合、タコが人類にとって代わって地球の頂点に立つ可能性がある、という専門家の意見がオックスフォード大学で発表されたことも興味深いです。
↑改めて、タコの能力の高さを感じます。
タコと人間の関係
古くから、タコは漁業資源として食用にされてきましたが、同時に神話や民話にも登場します。
日本では「海の悪魔」や「海坊主」として恐れられる一方、縁起物や智恵の象徴とされることもあります。
西洋でも“クラーケン”などの海の怪物として描かれ、畏怖の対象でした。
最近では、タコの知能の高さが注目され、動物福祉(アニマルウェルフェア)の観点から保護すべきでは?という議論も盛んになっています。
2021年にはイギリス政府が「感受性のある生物」としてタコを法的に認定し、動物福祉法の対象に加えました。タコの研究や飼育だけではなく、調理の際も配慮を求める姿勢が強まっています。
しかしその反面、食用も根強く、持続可能な漁法や資源管理の議論が欠かせません。賢い生き物であるからこそ、科学的知見と文化的背景の“いいとこ取り”で共存を探る。それがこれからの時代のスタンスになりそうです。

まとめ
タコは、9つの脳で情報を分散処理し、瞬時にカモフラージュし道具まで使いこなす、まさに「海の賢者」。その行動は「人間の3歳児並み」とも評され、水族館の飼育員を翻弄したり、科学者を魅了するなど、今後も目を離せない存在です。
その短い一生の中で、驚くほどの柔軟性と創造性を発揮するタコ。
私たちが海辺で見かけるその姿の裏には、想像を超えるドラマと知性が隠されているのです。




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