皆さんこんにちは!
なごみにゅーす管理人のなごみです。
またまた熊の記事で恐縮ではあるのですが、いまだに「熊のニュース」を見ない日がない、そんな体感の人もいるはずです。環境省の速報値でも、令和7年度(11月末時点)の人身被害は230人、死亡13人という結果になってしまっています。
そして本日、私の住んでいる地域では大雪が降りました。
そんな真冬の最中、「今年は熊がちゃんと冬眠するだろうか?」と不安に思っている方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、熊の冬眠の仕組みから「もし仮に、冬眠に失敗するとどうなるのか」、そして私たちが被害を減らすためにできる現実的な対策までをやさしく整理していきます。
どうか、最後までお楽しみいただけますように…。


・熊に関する諸問題を真剣に考えたい人
・熊の生態に興味がある人
・冬場の熊対策を考えたい人
そもそも熊の冬眠って何?
まず誤解されがちなのですが、熊の冬眠はリスやハムスターのように体温が極端に下がるタイプとは少し違います。(動物の冬眠にはタイプがあるんですね!)
体温を外気温近くまで落とす小型哺乳類と比べると、熊は体温の下がり幅が相対的に小さい一方で、心拍や呼吸、代謝をぐっと落として冬を越します。
たとえるなら、
「完全に電源OFF」ではなく、「超節電モード」に入ること。
この熊の超節電モードがすごいのは、ただ動かないだけじゃなく
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食べない・飲まない
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ほとんど排尿しない(無尿に近い状態)
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長期間じっとしても筋肉や骨が崩れにくい
といった、“体の中のやりくり”までセットで冬眠として成立している点です。
しかし熊の冬眠は「スイッチを押したら必ず成功する」ものではありません。秋に脂肪をしっかり蓄え、落ち着ける場所を確保するという条件を達成して、はじめて“超節電モード”に切り替えられます。
そしてもしその条件が崩れると、冬眠が遅れる・浅くなる・そもそも入らない個体が出る可能性があります。これが私たち人間にとっては身の危険につながる部分です。
もともと熊が冬眠する理由は、冬場に餌が少なくなるからです。冬は植物も昆虫も少なくなってしまいますので、普段から大量の食糧消費が必要な熊にとっては、冬に活動することは生存戦略上莫大なリスクを背負うことにつながってしまいますからね。
ということで、熊の冬眠は理にかなったものであり、私たちからすると熊にはしっかり冬眠してもらわないと困る側面があるということです。

熊の冬眠はいつからいつまで?(ツキノワグマ・ヒグマの目安)
日本の熊(ツキノワグマ/ヒグマ)は一般的に11月下旬〜12月頃に冬眠に入り、3〜5月まで冬眠すると言われています。そして繁殖したメスは、冬眠中(1月下旬〜2月上旬)に出産する、とされています。(冬眠中に出産までしてしまうとは!)
なお冬眠明けは「オス → 子のいないメス → 子連れメス」の順で出てくると言われ、子連れメスは特に防衛的になりやすいそうです。そして体力回復と採食が優先になるため、危険な行動を取るかもしれないです。
冬眠明け直後は熊もぼーっとしているようですが、もし遭遇しても接近してはなりません。
ちなみに豆知識ですが、ホッキョクグマは冬眠しません。その代わり妊娠したメスが出産のために巣穴にこもる行動(マタニティ・デン)が見られているそうです。

冬眠中に熊の体で起きていること
心拍・呼吸・代謝を落として、燃費を超良くする
冬眠中の熊は、心拍や呼吸が大きく低下します。冬眠中の心拍は8〜10回/分程度、呼吸も大きく落ちる一方で、体温はおおむね31℃以上を保つそうです。
「外が寒くて活動しにくいから寝る」というロジックではなく、食べ物の乏しい季節を体の燃費を変えることで乗り切るイメージです。
こう考えると、熊ってものすごいスペックの高い動物ですよね。走るのも早ければパワーもすごいし、嗅覚は犬よりもずっと良いそうですから。こういった燃費の調整もこなすというのは、まさに山の王者という印象です。
尿素・窒素を“再利用”する
熊の冬眠が“生理学のロマン”と言われる理由のひとつがここにあります。
冬眠中、熊はほぼ排尿せずに過ごすのに、体の中で老廃物が破綻しません。研究結果でも、冬眠期の熊が尿素窒素を再利用(リサイクル)できることが示され、腎臓・代謝研究の観点から注目されています。
熊の胆のうはものすごい栄養があるようですが、腎臓もとんでもない機能を持っていますね。
医療にも応用できる可能性があるかもです。
寝たきりなのに筋肉が落ちにくい
人間は動かないと筋肉が落ちやすいのに、熊は長期間の不動にも適応しています。ツキノワグマの冬眠中の体温・心拍などをモニタリングする研究も進んでおり、冬眠の理解が医療応用にもつながり得る、という位置づけがあります。

「冬眠に失敗する」とは?3パターンで整理
…さて、ここからが本題です。ニュースで「冬眠しない熊」みたいな言い方をされたり、漫画で冬眠しない熊=「穴持たず」が登場する作品があったりします。
しかし、実際は単純な白黒問題ではありません。熊の冬眠の“乱れ”がだいたい次の3つに分けて考えられることを知ると、楽に理解ができます。
パターン①:冬眠に入るのが遅い/入れない
熊が冬眠に入るには、秋に大量の栄養(脂肪)を蓄える必要があります。ここが崩れる原因としては、
たとえば:
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秋の餌(堅果類など)の条件が悪く、十分に太れない
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人里の食べ物(生ごみ、果樹、家畜飼料など)を覚えてしまい、そちらに引っ張られて結果的に十分な栄養を摂取出来ない
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落ち着ける冬眠場所(安全な環境)を確保しにくい
などが重なると、冬眠開始が遅れたり、冬眠に入りにくくなる可能性があります(※もちろん地域や個体の状況で差があります)。
パターン②:途中で何度も起きる(浅い)
熊は冬眠中も完全に意識ゼロではなく、外部刺激や体内状態によって覚醒することがあります。
騒音・人の出入り・犬の吠える声・工事など、巣穴周辺の刺激が増えると、落ち着いた休眠が難しくなるケースも考えられます。
また暖冬で気温が高いと、熊が深い冬眠に入りにくくなり、冬でも食料を求めて活動を続けることがあります。
パターン③:早く出てくる
冬眠明けは春の餌事情ともリンクします。
もし早期に出てきてしまうと、まだ自然の食べ物が乏しい時期に“食べ物のある場所”へ寄りやすくなります。つまり人里での出没リスクが上がりやすい、という連鎖が起き得ます。

冬眠が乱れるとどうなる?(熊側のリスク/人間側のリスク)
熊側:消耗・衰弱・子育てへの影響が出やすい
冬眠は「休む」ではなく「生き延びる戦略」です。浅い冬眠で何度も動けば、その分エネルギーを消費します。特に子を産むメスは冬眠中に出産・授乳をするため、条件が悪いと負担は大きくなります。
人間側:冬でも“遭遇の可能性”が残ってしまう
「冬は熊は山にいて寝てるはず」と油断しやすい季節に、私たちが生ゴミや果実などを整理せずに廃棄したり、餌付け環境を作ってしまうことで、冬眠に失敗した熊との遭遇リスクが残ります。
今年度は出没情報も多く、地域によっては通報・目撃が多数積み上がっています。熊は一般的に、子連れの母熊や、食料を守ろうとしている時、または急に鉢合わせして驚いた時などに攻撃的になるものですが、冬眠できなかった熊は特に切羽詰まった状態にあるため、「餌」や「安全な場所」を求めて予期せぬ行動をとるリスクが高まります。
くれぐれも、冬だからと言って油断せず「何が起きるか分からない」を前提に行動していきましょう。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=t0vqprcKohA
チャンネル名:ANNnewsCH 様
↑出典元の動画を視聴すると、今年の熊は人里の近くで冬眠する上に、冬眠しても目覚めが早く床を変えるような行動を取っているようですね。本当に要注意です。
効果的なリスク対策
熊の能力(嗅覚の鋭さ、学習能力)に勝とうとするより、熊が寄ってくる理由を減らすほうが現実的で効果が出やすく、賢明な対策となります。
家の周りでできる対策
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生ごみを屋外に放置しない(収集日まで密閉・保管)
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柿・栗・リンゴなど果樹の放置果を残さない
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米ぬか・コンポスト・鶏餌・ペットフードを外に置きっぱなしにしない
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BBQ後の網・油・残渣は“洗って片付ける”までがセット
いずれも整理整頓をしっかりしていれば防げることですね。
山際・農地での対策
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電気柵や侵入防止柵の点検(通電・下草処理)
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収穫残渣(廃果・廃棄野菜)を放置しない
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目撃が出たら「いつもの散歩コース」を一時変更する柔軟性を持つこと
特に、中山間地で農業をやっている方は注意ですね。あとは熊の巣穴は岩の隙間、樹洞、根上がり、地面に掘った穴などが多い、と言われているので、山中で「穴っぽい場所」へ不用意に近づかないのが安全です。
もし冬の熊を目撃したら?
すぐにSNSに書いたり騒ぐ前に、まずは自治体・警察・鳥獣対策窓口へ通報しましょう。地域の情報が集まるほど、巡回・注意喚起・学校対応なども早く回りやすくなります。

実際にあった、冬眠しない熊の恐ろしい事例
…ここからは、たびたびメディアで聞くことがある、熊と冬眠にまつわる恐ろしい事例をご紹介していきます。
怖いなあ、と思う方は無理して読まないで!あくまで興味がある方だけ、お読みくださいね。
三毛別羆事件(みけべつひぐまじけん)
熊の冬眠直前の12月に発生した事件ですが、これは飢餓状態の大型の雄グマ(推定体長2.7m、体重340kg)が人里に現れ、複数回にわたって集落を襲撃したという日本獣害史上最悪の事件です。
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時期: 1915年(大正4年)12月
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場所: 北海道苫前郡苫前村(現・苫前町)
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被害: 死者7名、負傷者3名
飢餓状態にあったヒグマが、人間の肉の味を覚えてしまい、その後の行動がより執拗で凶暴になったとされています。特に、戸を破って家屋に侵入し生きたまま人を食い荒らすという、極めて残忍な行為が記録されています。
※現在の家屋は基本的に熊が壊せる耐久度ではないと思いますが、玄関で鉢合わせる事例も増えてきているため、外出の際は注意しましょう。
2. 札幌丘珠事件(さっぽろおかだまじけん)
これも冬眠しない熊「穴持たず(シャトゥーン)」による熊害とされています。
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時期: 明治時代
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場所: 北海道札幌府近郊(現・札幌市東区丘珠)
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被害: 死者4名、負傷者1名
このヒグマも冬ごもりをせず、飢えから人家に侵入し被害者を襲い、遺体の一部を食い荒らした記録が残っています。胃袋から被害者のものと思われる髪の毛などが発見されたという証言もあり、当時の人々を震え上がらせました。
まとめと所感
熊の冬眠は「寒いから寝る」という単純な話ではなく、生き延びるための“超省エネ戦略”ということが分かりましたね。
今回あらためて調べて感じたのは、熊の問題は「熊が悪い」では片付かない、ということです。熊は生きるために合理的に動いているだけで、むしろ“人間の生活圏にうっかり残っているごちそう”(生ごみ、放置果、飼料、ぬか等)が、熊の行動を変えてしまう側面があります。
もしこの記事を読んで「自分も気を付けよう」と思ったら、まずは玄関先の一歩からで十分です。生ごみ・果実・ペットフードなどを庭に置いていないか??これらを見直すだけでも、地域の安全度は確実に上がります。
熊と人が同じ場所でぶつからないよう、また安心して日々を送るための小さな意識を、一緒に始めていきましょう!



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